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2005/09/19

(生涯教育)「ワン・コイン古文書講座」は如何ですか? ―安価でたのしく、くずし字を学ぼう―

・ちょっとお高い古文書講座 世の中は古文書解読の講座が流行りです。趣味をはじめるとき、誰しも「フラメンコやろうか」「英会話やろうか」「お料理やろうか」などといろいろ思案することでしょう。そのなかで遠い昔にロマンをもとめ、「古文書やろうか」と考える方々が増えてきたというのは、歴史研究に携わる者としてこんなに喜ばしいことはありません。古文書解読がふつうの趣味としての〝市民権〟を得たのです。それであちこちで古文書講座の案内のちらしをみることができます。
 一般的にくずし字の多い古文書は難しいと思われています。年賀状に筆でくずし字がしたためてあれば、モウ、それだけで恐れ入ってしまう、という方がほとんどでしょう。しかし実際はくずし字といっても一般庶民までもが日常的に使っていた簡便な書体に過ぎず、意外なほどに単純で覚えやすいものです (よく考えれば、むかしの寺子屋では子どもさえもくずし字の読み書きを習っていたのです)。これは世間であまり知られていることではありません。「ホントに?」と思われる方は「百聞は一見に如かず」といいますから、いちどこの古文書講座にチャレンジされてみては如何でしょう。
 ただ、この古文書講座で気になることは、たかい受講料で売っているところがあることです。参加しているひとから聞いたところによると、何と入会金が1万円、そのうえ一講座2000円~3000円とる教室があるといいます。実際わたしもそのパンフレットを拝見したことがありますが、なるほど面白そうな講座ではありました。この高いお金の対価として質の高い講座が受けられることは間違いなく (営業妨害をしようというつもりはありませんのであしからず)、もちろん「よし、これから古文書を学ぶぞ!」と最初から意気盛んな方の場合なら、これでも満足でしょう。
 しかし実のところ、”古文書入門層”といってもいろいろで、「ちょっと試しに学んでみたい…」という方の場合でいえば、1万円以上のお金を支払うのはとても勇気の要ることで、躊躇してしまうひとは多いことでしょう (大学のコマの単位認定があるなら話は別ですが)
 また、博物館などの主催する講座になると、やすい受講料であっても定員があって抽選をするところも少なくないようですから、講座数の多いわりには学習希望者の欲求を満たしているとは言い難いのが現状です。それでたかい受講料の講座でもそれなりの需要があるのでしょう。

・「ワン・コイン500円」宣言、「来る者拒まず」宣言 そこでわたしは最近になって古文書講座を開設したいと思うようになりました。もしわたしがそれをやるなら、会場さえ確保できれば、講座受講料は一講座(2時間)500円玉ワン・コインでけっこうだと思います(資料代含む)。入会金もありませんし出入りは自由です。いっさい「来る者拒まず」で定員制(抽選制)をとりません。1万人希望者が来たら来たで東京ドームでやりましょう。20人しか来なかったら小さな教室で事足ります。
 もちろん質を落とすつもりはありません。しっかりじっくり親切にやって500円です。……思えば500円なんてすぐになくなってしまいますね。煙草2箱で500円、ガム5個買って500円、1リットル250円のジュース2本買って500円です。古文書講座もその程度ではないでしょうか。古文書を学んでみたいという方、お友達をみつけてみたいという方、煙草1日2箱は健康にいけないと反省している方、インターネット上だけでなくわたしという人間を実際観察してみたいという方 (そんなひといるかな?) は、是非いらっしゃいませ。このようなやすい受講料では、立派な機材をそろえることもおおきな宣伝もおこなうこともできませんが、みなさんに満足頂けるよう努力したいと思います。
 ただし500円という格安の受講料なので、参加者が集まらないと採算がとれず、実現することはできません。それにはみなさまのご協力が必要です。もしこの趣旨にご賛同の方は下記のメールでその旨をお寄せ下さい。

※この記事は「ネタ」(ブログの記事を埋めるための冗談)ではありません。
・生徒で参加をご希望の方はこちらまでメールをください。住所・電話番号をお知らせください。ふるってご参加をお願いします。参加希望者が一定数に達しましたらすぐに開講の手続きに入ります。
・もちろんすでに活動されている古文書サークルの出張講師もこれと近い値段でお引き受けします。遠慮なくご連絡ください。条件なども逐一相談させて頂きます。
・「講師をひきうけてもよい」という方もご連絡ください。資格は博士号学位をお持ちの方、あるいは単著(啓蒙書・新書を含む)をお持ちの方に限ります。講師陣にはいまのところわたし高尾善希・小林信也 (博士(文学)(東京大学) 『江戸の民衆世界と近代化』<山川出版社>の著者。小林信也ブログhttp://skumbro.cocolog-nifty.com/edo/「江戸をよむ東京をあるく」)がいます。
・具体的な期日・場所はのちほどお知らせいたします。期日は土曜日か日曜日、場所は東京区部になると思います。
・この記事どうぞ転載ご自由に。

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コメント

わお!ステキな企画です!
近ければぜひとも参加したかったのですが、残念!
実現したら実況中継(?)してくださいませ。
やはり気軽に参加できるというのが良いですね。

わたしが2年間学ばせていただいた古文書講座は市が主催していたので格安でした。12回で6000円。
定員25名に入るのが至難の業でしたが(笑)
そういえばその講座の先生も高尾先生。
高尾先生は良い先生ばかりですね。

投稿: ラン2 | 2005/09/19 14:28

ラン2さん、ありがとうございます。応募者が来るかどうかわかりませんが、やってみないとわからないので募集をかけてみました。人集めは工夫次第でしょう。最近こんなことばかり考えていて、実は会社まわりまでやっております。研究者関係からハブンチョになるのも時間の問題か……。

それはそうと、十二単、よくお似合いでした。
http://heike.cocolog-nifty.com/heike/2005/09/post_04aa.html#comments
コメントしそこなったので……。

投稿: 高尾 | 2005/09/19 14:41

古文書を習い初めて間もない者です。機会がありましたら講師をお願いします。

投稿: S-Walker | 2005/09/20 21:32

ありがとうございます。ご連絡先をメールで頂ければと存じます。

投稿: 高尾 | 2005/09/20 22:20

すみません・・・。うちの古文書講座は無料です(^^

投稿: あむろ | 2005/09/23 22:39

おっと、民業圧迫ですね。でも貝塚は遠いからいいですよ(^_^)。有料でも定期的にやるものをめざしたいと思っています。また、お客さんのほうも、少しでもお金をはらえば気兼ねなく質問できるという声もありますし、こっちも責任感が出てくるでしょう。神社のお賽銭みたいなものでも、あったほうがいいという考え方もあります。

投稿: 高尾 | 2005/09/24 14:18

すてき!近くなら是非参加します!でも、私は米国西海岸在住なので出席は不可能です。できればInternet上での開講って可能性ありませんか?

投稿: 千恵子 Duty | 2005/09/26 16:48

はるばるアメリカからありがとうございます。インターネットはグローバルな道具なのですね。ほんとうは技術的に困難ではないのでしょうが、パソコン音痴のわたしにとっては困難なことのように思えます。ただちょっと考えてみましょうか。できればいいですね。

投稿: 高尾 | 2005/09/26 19:37

高尾さんに声をかけていただいて、一緒に古文書講座を作りたいと思っている小林信也と申します。どうか、よろしくお願いします。
自分のブログでも、今回の講座開設にむけての抱負のようなものを書きました。この高尾さんの記事にトラックバックをひきましたので、興味をお持ちになった方は、ぜひ、おいでくださいませ。このコメントの「名前」のリンクをクリックされてもおいでいただけます。

投稿: 小林信也 | 2005/09/27 16:00

小林さんありがとうございました。

投稿: 高尾 | 2005/09/27 22:07

千恵子 DutyさんのおっしゃるInternet上での開講案、賛成♪
今も高尾さんは、古文書入門というカテゴリを作って下さってますが、この延長線上にあるもののように思います。
これからもどんどんと、古文書を読んでいく上でのちょっとした知っていて便利なこととを専門家の立場から紹介していってくださいね。

十ニ単、お目汚しでございました。
ああ、恥ずかし。

投稿: ラン2 | 2005/09/28 23:22

ブログの案内本に、「××入門」なるカテゴリーがあると喜ばれる、と書いてあったので、「古文書入門」を設置してみたわけです。しかし、映像というのは、指摘されるまでは考えていなかったですね。海外のひとも利用できるなら、あったほうがいいでしょう。ただこれは、文章にするよりも、色々とテマヒマがかかりそうです。
さて、これからも便利なものをつくっていきたいと思っています。まだいくつかアイデアがあるのですが、ちょっと頭の中で作戦を練っています。
ラン2さんにはお世話になっているので、何処かでお会いできたらなあと思っていたものですから、十二単につい釘付け。(ああ、こんな方なのか)と。もしかして工藤静香に似ていらっしゃったりするのかなあ? と。旦那様の山田教授(大博士?)さまによろしくお伝えください。

投稿: 高尾 | 2005/09/28 23:45

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