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2004/11/08

(研究人生)本は買うべきか、買わざるべきか

 結婚して妻の母の家に移り住んでから、独身時代から買い集めてきた本を、思い切って500冊ほど売り払いました。何故かといえば、―わたしはとんでもないムコ殿です―、なんと、本の重さで床を歪めてしまい、何十万もかけて工事をしたからです。そのようなわけで、とにかく本を処分。実家も預かってくれないようなので仕方ありません。「島流しにあって本1冊しかもってゆけないとしたら、どの本をもってゆくか?」という問いかけがありますが、そんな気持ちで、自分の研究に関わりのある僅かな本だけを、わたしの部屋に残しました。それでもう本はあらかたなくなりました。なんだか体が空っぽになってしまったような気がしました。
 研究仲間からはよく「本がなくて大丈夫?」と訊かれます。不自由はありますが、いまのところ何とかなっています。本は図書館に行けばあるし職場にもあります。当面の研究ということであれば本棚2~3くらいの量で充分です。ただ、これからのわたしの研究的視野は、どんどん狭くなってゆくかもしれませんが。
 大学院生が面白がっていろんな本を買う光景をよくみかけます。わたしも過去にはそんな学生のひとりでした。しかし最近わたしはそういうことができなくなりました。結婚し、子どもができ、非常勤暮らし……このような制約の多い環境のなか、「如何に研究を継続するか」ということに意識を傾注させるため、発想をシフトさせました。
 つまり「研究者的にはお金も時間も〝研究コスト〟なのだから、なるべく大切に合理的に使った方がよく、極力図書館の本で済ませる方がよい。研究費は本代だけではない。調査にかかる直接的な費用(移動費・コピー代など)や、パソコンを用意する等、研究環境の設備投資もばかにはならない。だから極力本は買わない!」と。
 これは追いつめられたわたしの考えです。妻子がなくてお金があり、本を置く場所もあるという方はどんどん本を買って読んでください。わたしはもうだめですが。
 本は買うべきか、買わざるべきか。それは個々人の問題であって、ひとつの解答は存在しえないということでしょうか。

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コメント

私もどちらかといえば「買わない派」。我が家の徒歩圏内に、いくつか有名図書館があるので、買わなくても間に合います。それより、マイクロのコピーとか、錦絵の写真撮影とかが、死ぬほど高い(>_<)

しかし、近畿地方の古書店に行くと、江戸関係の本が安いので、ついつい買い込んでしまうくまでした(^^;

投稿: 江戸家守改めくま | 2004/11/11 15:48

読むか読まぬかは別にして、とにかく何でも本を研究室に貯める、という方もいます。その方は、思いついたことをわすれないうちに調べるために、膨大な書籍が必要なのだ、といいます。むろんそれが理想的ですが、それは研究室持ちという環境があっての話で、たいていはコスト意識が必要ですね。倉庫を借りるにしてもお金がかかります。一度倉庫に入ったら死蔵です。

投稿: 高尾(管理人) | 2004/11/11 21:02

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