(大学)「三くだり半」をテキストに
あるとき女子大の講義で、「三くだり半」の原史料のコピーを、テキストとして使いました。それを示しながら、「これが『三くだり半』です。ほら、その言葉とおり、ちゃんと三行半で書かれているでしょ」と解説したのですが、女子大生の反応はイマイチ。そこで試しに、「『三くだり半』って言葉、知ってる?」と訊ねてみたところ、やはり、多くが「知りません」という返答でした。……これでは話がおもしろくないわけです。女子大生にはうけるのではないかと思ったのですが、判断が甘く残念でした。ふだん使っている言葉から、「三くだり半」は消えつつあるようです。
それでもその後、「女性セブン」(女性誌)の広告に、「A子(某女優さん)がB男(某男優さん)に『三くだり半』!」という見出しをみつけました。「三くだり半」は、ふつう男性が女性に出すもの、とされていましたので、この見出しの場合、女性から男性に出したところが面白い、という含意があるのでしょう。だから、わたしは次の授業で得意満面に、女子大生たちに、「雑誌にだってこういう言葉は出ていますよ」と教えてあげたのです。
しかし、あとからあるひとに、「いや、『女性セブン』はね、女子大生は読まないんですよ」と指摘されました。女子大生くらいの年齢層にはもっと違う雑誌があるらしく、「女性セブン」はちょっと年齢高めの女性が購読するらしいのです。知らなかったなあ。
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コメント
私は以前、とある短大生に「たばこと塩の博物館には、キセル(煙管)の立派なコレクションがあるから・・・」と話したところ、キョトンとした顔で「へ〜、鉄道の資料もあるんですか?」と。
キセル(煙管)には、無賃乗車の意味しかないと思っているんですね。「薩摩守(さつまのかみただのり=無賃乗車・キセル)」なんていったら、ますます混乱するだけかも、です。
でもいったい、キセルってどうやってコレクションするの?
投稿: 江戸家守 | 2004/10/30 16:36
本日は関近大会でお目にかかれて光栄でした。名司会ぶり、感動しました。お疲れさまでしたm(_ _)m
投稿: 江戸家守 | 2004/10/31 23:22
このあいだ、NHK深夜番組「NHKアーカイブス」(ふるい番組を紹介するコーナー)で、ドキュメンタリー「影の名優」(45分)という番組を放送していまいた。昭和38年(1963)10月25日放送のものです。歌舞伎俳優で名題下筆頭、坂東八重之助さんを扱ったものでした。八重之助さんは当時50歳半ば、「わかいひとたちは煙管を知らないから」と、後進の俳優に、煙管をつかったたばこのふかし方を教えていました。「たばこはこうやって詰めて……、こうやって火をつけて……」と。なかなか器用です。もはや昭和38年で消えつつある知識です。
投稿: 高尾(管理人) | 2004/11/01 08:18
ご足労を頂きありがとうございました。こちらこそお会いできて光栄です。また機会がありましたら、HPのことなど、ゆっくりお話をうかがいたく存じます。
関東近世史研究会大会は、おかげさまで100名以上の参加者を得ることができました。わたし、大会報告者・大会運営委員長はやったことがあったのですが、司会だけは何故かやったことがなかったのです。おそまつさまでした。
投稿: 高尾(管理人) | 2004/11/01 08:31